RUDE MAGAZINE
読書について
父の影響で、昔から本や漫画を読む習慣がついていたと思います。デザインされたブックカバーは早々に剥がされ、クタクタの開き切ったページを読む。これは紛れもなく、父親譲りの悪い習慣です。
最近では老眼が進み、良い塩梅に?老いてきましたが、父や友人に勧められた本は、変わらず枕元に山積みです。そのとき何を読むかは、気分で変わるので、読みかけのものは際限なくあるのですが、時代や流行に関係なく、作者が今の自分と同じ年齢の頃に書いたものを好んで読みます。画集や写真集、展覧会の図録などもつい買ってしまい、眺めては購買したときを思い出し懐かしむ……その繰り返しです。
五木寛之さんの著書『孤独のすすめ 』(中公新書ラクレ)では「モノはいわば回想の憑代といってもいい」と書いてあります。他者からは無価値に思えるようなものであっても、自分にはかけがえなのない財産である。ガラクタや、不揃い不恰好なモノに惹かれるのは、新作を作り続けるアパレル業とのバランス取りになっているのかもしれません。